流産のこと(手術後の夜~翌日)

夫との関係が悪化し、人生初の全身麻酔による手術を終えた最悪の夜。

子どもたちと実母が家に居てくれたから助かりました。クッションです。

 

翌日、母と話をしました。

「Nちゃん(夫)って冷たいのかねえ・・・」

いつだって娘の味方をしてくれる母の存在、有難い。話して少しは楽になったかと

思いきや、母が保育園に預けていた次男を、長男も連れて迎えに行った20分間

の間、独りになって感情がまた壊れました。悲しさでいっぱいになって、「辛か

ったら電話ください」と言われていた日赤に連絡を入れました。看護士さんが出て

「今ね、外来が終わってもう誰もいないので、良かったら来てお話しませんか」

と言ってくださり涙がますます出ました。

子どもを連れ帰った母は、泣きながら電話している娘を見て心配し、「病院へ

みんなして行こう!」と言ってくれました。師走の夕方17時、暗い道のり

タクシーで子どもは楽しそう、そんな姿には本当に癒されました。

 

日赤に着くと、昨日の執刀医と看護士さんがちょうど勤務していたので、術後の

経過を診てもらい、話を聞いてもらうことが出来ました。

「昨日掻きだしたものの中に、赤ちゃんは居ましたか?」ずっと気になっていた

質問、答えは『何もいませんでした』。執刀医は女医ですがとてもサバサバ。

次の妊娠は3回の生理を待ってからと言われ、2回じゃだめか?と聞いたところ

手術で中身を掻きだしたことで子宮内には傷があり、それが完治しないうちに

妊娠をすると、胎盤剥離や流産などリスクが大きいのだと言われました。納得

しました。急がば回れです。『他に何か質問は?』と言われるとどうしたらいいか

わからなくなり、いくつかの質問のあと、診察室を出ました。

一緒に出てきてくれた看護士さんが待合室で色々と話を聞いてくださいました。

そこで、日赤には、赤ちゃんを失ったママのための外来があると教わりました。

流産でも、死産でも、流産なら週数に限らず、母親の悲しみは計り知れないもので

臨床心理士さんと面談することで少しでも楽になるなら利用してみては、とのこと。

早速翌日の予約を取りました。『おひとりでも、お子さんとでも、ご家族全員でも

もちろんご夫婦でも構いませんよ』と言われ、その時には一人で、と思って

いました。

 

帰宅後、やっぱり夫婦で話す方が良い、と考えなおしました。

性格上夫を無視するのが精神衛生上本当に悪くて、何とか糸口を見つけたくて、

病院で処方されて飲んでいる精神安定剤を飲んでから、夫に話しかけました。

もし決裂しても、間もなく睡魔に襲われるから・・という保険です。

感情的にならぬよう、冷静に優しい口調で話しかけました。

夫も、反省していました。あの時アポを優先しようと思ったのは、苦労して

まとめてきた案件が半年ぶりにようやく収束するという日だったから相手あっての

ことでもあるし、それをまた延期するのは容易ではなかったのだ、ということでし

た。しかしながら配慮が足りず申し訳なかったという気持ちが聞けて、明日の臨床

心理士さんとの面談も付き添うということなので、ホッとしてすぐに眠ってしまい

ました。

 

この時点で、夫へのわだかまりは残り3割、というところでした。

今にして思えば、流産と言う出来ごとが冷静さをかなり欠いており

異常に神経質でヒステリーだったなと思えますが、このときは本当に辛かった。

悲しみを夫にぶつけて何とか均衡を保とうとしていたのかもしれません。